ベジタリアンの保育園【ドイツ】

子どもの給食は、保育園の大事なテーマの1つです。

日々の食事が、子どもの健康な心と身体をつくります。
何を子どもに食べてもらうか、気を遣っている保護者も多いと思います。

ここ、ドイツでも食事は大きなテーマです。

私が勤めているドイツの保育園は、肉・魚を提供しないベジタリアンの園です。

近年、ドイツでベジタリアンの保育園は増えてきてはいるようですが、まだまだ珍しいと思います。

本記事では、ベジタリアン保育園の一例を紹介します。

保育園の食事

まずは、保育園の食事内容について紹介します。

朝食

●ブュッフェ形式
朝食をとりたい子のみが食堂に行き、並んでいるカット野菜やフルーツ、パンを自分で選んでお皿に載せ、食べる

主なメニュー(季節によって変わる)

●野菜 
・きゅうり 
・にんじん 
・トマト 
・パプリカ など

ドイツでは、大人でも生野菜をバリバリ食べている人をよく見かけます。
生野菜の中で最も子どもに人気なのはきゅうりです!

●フルーツ 
・バナナ 
・りんご 
・レーズン
・みかん など

バナナとりんごは真っ先になくなります。
夏場はとにかくスイカが大人気!

●全粒粉パン 
・チーズ 

・野菜ペースト 
・ナッツのムース など

パンは、白く柔らかいパンではなく全粒粉の茶色っぽくて発酵したような香りのするパンです。
白い柔らかいパンと比べて、この茶色いパンはタンパク質やビタミン、ミネラルが豊富だそうです。
その上に、野菜ペーストやナッツのムースを塗って食べます。

●その他
・ナッツ類 

・豆乳ヨーグルト
・ゆで卵(週1回)

乾燥フルーツと豆乳ヨーグルト、ナッツを混ぜてミューズリー(ドイツのシリアルのようなもの)風に食べることもあります。

ゆで卵は、週に1回提供しています。
パンに載せて食べる子もいれば、そのまま食べている子もいます。
特に塩などはまぶしていません。

昼食

肉・魚を除いたメニューを日替わりで提供

●メニューの選択肢が2つあり、子どもたちは毎朝食べたいメニューに投票することができる
(多数決でどちらにするか決めています)

主なメニュー

・野菜ごろごろスープと全粒粉パン
・トマトソーススパゲッティ
・じゃがいものおやきと茹で野菜
・ポテトグラタン
・レンズ豆のラザニア など
なんといっても人気なのはスパゲッティやラビオリです。
ラザニアは、中身がひき肉ではないことに気づいた子どもはパスタとチーズの部分だけ食べている子もよく見かけます。

おやつ

●天気の良い日は、園庭でピクニック

主なメニュー

・カット野菜
・カットフルーツ
・砂糖不使用のオートミルバナナクッキー 

・ピザパン(全粒粉パンにトマトペーストとチーズをのせて焼いたもの) など

基本的には、朝食の内容とあまり大きな違いはありません。

日本の給食は素晴らしい!

そもそも、ドイツに住む人々と日本に住む人々の食文化に大きな差があります。

日本では、主食・主菜・副菜、さらに汁物と一度の食事でいろいろな物を食べることができます。
日本の食事が健康的と言われる理由でもあります。

一方ドイツでは、日曜日の特別な食事等ではない限り、家庭でもなかなか1度の食事に何品も出てきません。

そのため、私の勤める保育園でも、多くて3品がいいところです。
メイン1品のみのこともよくあります。
(例えば、スパゲッティならスパゲッティのみ)

しかも、この3品というのも
・メイン
・茹でたじゃがいもそのまま
・ほうれん草をペースト状にして味付けしたもの

という簡単なものです。

以前、こういうツイートをしましたが、

何も食べない子どもが複数人いるのは、もし1品しか出ない時にそれが嫌いなものだと、他に何も食べられるものがなくなってしまうのも大きな理由の1つだと思います。

ベジタリアン保育園の理由

私の勤める保育園のコンセプトは
●自然保護
●多文化共生
を掲げています。

ベジタリアンの食事は、特に自然保護に関係があります。

また、保育園で肉・魚が出なくても、家庭で肉・魚を食べる子どもは夕飯や週末に食べることができるため、ベジ給食の提供が決まりました。

自然保護

肉食用に動物を育てることは、温室効果ガス排出の大きな要因になっています。
ドイツでは、よく話題に上がるテーマのひとつです。

そのため、ベジタリアンは環境にも配慮している人々とよく一致します。

もちろん、動物の保護を理由にしたベジタリアンの人もいます。
私たちの園でも、ベジタリアンという選択は動物を苦しめることに対する意見表明でもあるのかもしれません。

▼ドイツのベジタリアン人口
ドイツには、約600万人がベジタリアン生活をしていると言われています。(Statista,2019)
これは、人口の約7%にあたる数です。

多文化共生

これは運営上の問題であり、たまたまラッキー!というレベルの話ですが、さまざまな文化を持つ子どもが通っている園では、宗教上の理由から肉や魚を食べない家族も多くいます。

そのため、この子はお肉のメニュー、この子は野菜のメニュー、さらにアレルギー対応も含めると、とてもややこしい状況が生まれます。

しかし、手間を省くためにみんな野菜のみ!ベジタリアン給食!というのは、今度はベジタリアンではない子どもたちに対する差別になる可能性があると思います。

子どもにとって健康な食事といえるのか?

大人が自分でベジタリアンになるのはわかるけど、成長途中の子どもがベジタリアンでも問題ないのか?

という質問は、保護者からもよく来ます。

特に肉が健康に良いか悪いかは、意見が分かれるところです。

そのため、私たちの園では専門家を読んで保護者と保育士向けに「子どもと野菜中心の食事」という講演会を開きました。

そこで教わったことは、
●野菜・フルーツ
●豆類
●ナッツ
●全粒粉食品
に子どもの成長に必要な成分が含まれている。

タンパク質不足を避けるため、
●乳製品
●卵
も意識して採る。

鉄分・亜鉛不足を避けるため、
●オートミール(オーツ麦)
●ひえ
をミューズリーとして採ることも食べやすくてよい。

とのことでした。
これらを意識することで、健康な子どものベジタリアン生活は可能だそうです。

しかし、肉や魚だけではなく、乳製品や卵も除いた植物性食品のみで生活するヴィガーンは、子どもの健康に影響が出る可能性があり、推奨することはできないとのことでした。

まとめ

食文化が日本とは大きく違うドイツ。

ドイツでは、ベジタリアンの保育園は増えつつあります。
しかしドイツでも、保育園のベジタリアン化は賛否両論です。

子どもや保護者がそれぞれ自分たちの生活スタイルに合ったコンセプトの園を見つけることができればいいなと思います。

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