ドイツで働きたい!有償ボランティア(FSJ/BFD)という選択肢

ドイツで働きたいと思ったとき、言葉やビザの問題があり、なかなか難しいと感じる人も多いかもしれません。

また、私のように「社会福祉分野で実習してみたい!」とドイツの福祉現場を見てみたい人もいるでしょう。

使えるドイツ語を働きながら学びたい人もいると思います。

そのような場合、私がおすすめするのがドイツでの有償ボランティアです。

この記事では、ドイツの社会福祉ボランティア(FSJ/BFD)について紹介します。

FSJ/BFDとは?

まず、ドイツのFSJとBFDについて簡単に説明します。

FSJ/BFD

FSJとは、Freiwilliges Soziales Jahrの略です。
直訳すると、自発的な社会年とでもなるでしょうか。
「社会福祉奉仕制度」と訳される場合もあります。

BFDとは、Bundesfreiwilligendienstの略です。
直訳は、連邦自発的活動でしょうか。

一般的にはどちらも、病院や保育園、福祉施設等でボランティア(お小遣いあり)をすることができる制度です。

勤め先によって違いはありますが、基本的には

●6か月~18か月の配属期間
●最高で約300ユーロのお小遣いあり
となります。

この2つの制度、内容にはあまり大きな違いはありませんが、参加する際の条件に違いがあります。

FSJとBFDの違い

それぞれの一般的な応募条件です。
FSJ
●16歳~26歳の若者
●フルタイム労働のみ
●一生で一度の参加のみ
BFD
●16歳~(年齢の上限なし)
●パートタイムでも可能
●参加が終わってから5年後にまた応募可能
この制度、基本的には若者のための制度です。
参加者も、高校を卒業して次のステップ(例えば大学や専門教育訓練など)に進む前の1年間、FSJをする18歳~20歳くらいの人が最も多いと思います。
しかし、26歳を過ぎている人でも、BFDに参加することができます。
さらに、FSJではフルタイム労働となりますが、フルタイム労働が難しい場合でも、BFDに参加することができます。

お小遣い・生活費

FSJ/BFDは、福祉施設等でのボランティア制度ですが、最高で300ユーロ(約3万5千円)(2020年3月12日現在)ほどのお小遣いがもらえます。
ただし、金額は施設によって異なります。

さらに、FSJ/BFDに参加すると、社会保険に加入することもできます。
その分の約267ユーロは、雇用主が全額支払います。
健康保険は、自分で加入していなければなりません。

また、これもどこに雇われているか、配属先によっても違いますが、住宅手当が出る場合もあります。

働ける場所の例

FSJ/BFDの他に「環境保護奉仕活動制度」(Freiwilliges Ökologisches Jahr:FÖJ)といったものもあります。
FÖJでは、環境保護団体、農場、自然保護区域といった環境保護分野において働くことができるそうですが、FSJ/BFDでは、社会福祉現場が主な活動実施場所となります。

具体的には、

●病院
●老人ホーム・通所施設
●障害者施設
●特別支援学校
●リハビリ施設
●保育園
●児童養護施設
などが一般的です。
全体的には、募集しているのは介護補助といった仕事内容が多いように感じます。

外国人でも参加できる?

FSJ/BFDの参加者は多くの場合、ドイツ国籍の若者ですが、ドイツ国籍を持っていなければならないわけではありません。

外国人でも参加することができます。

ドイツ語レベル

要は、自分をFSJ/BFDの制度内で雇ってくれる職場を見つければいいのです。
そしてこの場合、ほとんどがそこまで高度なドイツ語レベルを求めないのが一般的です。

医療・福祉現場は、ドイツにおいても深刻な人手不足に悩まされています。
施設側としては、(乱暴な言い方にはなりますが)安く雇える労働力であるFSJ/BFD参加者はありがたい存在であることがほとんどです。

そのため、最低限ドイツ語で意思疎通が取れる初心者レベル(目安としてはA2~B1レベル)でも、雇ってもらえる可能性は十分にあります。
私の知り合いは、ドイツ語はあいさつ程度しかできないまま働き始め、職員とは英語でやり取りをし、働きながらドイツ語を修得した人もいました。

滞在許可の問題

いわゆる、ビザの問題です。

ドイツには、ボランティアや実習生のためのビザは基本的には存在しません。
日本国籍を持っていれば、3カ月は滞在許可なしでドイツにいることができます。
そのため、3カ月間は金銭を一切受け取らないボランティア・実習であれば行うことが可能ですが、それ以上のことはできません。

しかし、FSJ/BFDの参加者として雇われることが決まれば、その施設での労働許可と滞在許可が比較的簡単にでます。

その場合、日本国籍の所有者であれば、ドイツにビザなしで入国し、現地で3カ月以内に雇用主との労働契約書を持って申請をすることができます。
※詳しくは、ドイツ大使館・領事館、もしくは現地の外国人局に問い合わせてください。

つまり、FSJ/BFDは、一般就労よりもドイツ語や滞在許可といった点でハードルが低く、ドイツで働きたい際の選択肢として私はおすすめしています。

私のFSJ-きっかけはBethel-

参考までに、1つの例ではありますが私の経験を簡単にお話します。

私は、日本の学部課程で社会福祉を学ぶ中で、ドイツのビーレフェルトという都市にあるヨーロッパ1大きい社会福祉施設、ベーテル(Bethel)に興味を持ちました。

Bethel(ベーテル)
施設の正式名称は、v. Bodelschwinghsche Stiftungen Bethel
NRW州Bielefeld市に本部を持つキリスト教系複合医療・社会福祉施設。
てんかん患者のための病院・施設を設立したことから始まっており、150年の歴史がある。
規模がとても大きく、医療・福祉施設が集まっている。
さらに、学校や保育園、大学、スーパーなどの商店、市民プールといった施設もあり、その地区全体をベーテルと呼ぶ。
ベーテルHPはこちら
ベーテルについての記事はこちら
医療・福祉の町ベーテル(Bethel)とは?

日本でベーテルについての本を出している方と間接的にですが知り合う機会が幸運にもあり、その方に連絡を取ると、ベーテルでのFSJ参加をすすめて下さいました。

ベーテルは、FSJ/BFD制度の中で、インターナショナルな参加者(外国人)枠を設け、募集しています。
(ただし、ベーテルに限らずどこの施設でも国籍関係なく応募することはできます)

その頃、私は英語もほとんどできない、ドイツ語なんてまったくできないという語学レベルでした。
英語やドイツ語ができる知人や大学の先生の力を借りて、ベーテルのホームページに示されている応募に必要な書類をそろえ、メールで送りました。

相手が何を言っているかほとんどわかりませんでしたが、ノリだけでスカイプ面接も乗り越えました。(もしかしたらベーテルについての本を出している方の口添えもあったかも知れません)
その際、ベーテルでのFSJが始まる3カ月前にドイツに入国し、現地の語学学校の集中コースを受けるということで話がまとまりました。

私は、現地の語学学校でA2コース(初級)を終えた後、日本でいう就労移行支援の現場(主に障害を持つ若者が就労のための練習をしている施設)と重度の障害を持つ子どものグループホームに配属され、トータルで15か月フルタイムで働きました。

ちょっとした自慢を小声ですると、私は日本人初のベーテルでのFSJ/BFD参加者です。
ベーテルでのFSJ/BFDについては、追って新たに記事を書きたいと思っています。

まとめ

今回は、ドイツで働きたい場合、比較的ハードルが低い方法としてドイツ有償ボランティア制度を紹介しました。
最終的には社会福祉分野で働きたいと思っていなくても、ドイツで働く足掛かりとしてFSJ/BFD制度を利用することも可能です。
1年間ドイツ語で働けば、ドイツ語レベルも上がります。
その後、自分の興味のある分野にチャレンジする人も多く見てきました。
また、私のように社会福祉分野で実習をしてみたい、でも語学が不安という人にとっては、この上なく素晴らしい制度です。
さらに、単純に生きたドイツ語を学びたい学生さんにもおすすめできます。(例えば、半年~1年の休学という形にはなってしまうかもしれませんが)
ただし、勤め先によってはFSJ/BFDのみのお小遣い・生活費補助だけでは生活していくのが難しいかも知れません。
興味がある方は、その点に注意して調べてみて下さい。
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